こんにちは、院長の栗木安弘です。
皮膚の変化というのは、大袈裟に言えば体全体の栄養のあらわれであると確信しています。
体内の栄養障害が皮膚の栄養障害を生じ、皮膚の脆弱化がさまざまな変化として教えてくれます。
いつも申し上げているように、皮膚の変化を簡単に表現して大まかに分ければ、
かゆみ、ぶつぶつ(丘疹):鉄不足
ジクジク(湿潤)、ひび割れ、色素沈着:亜鉛不足
赤味(紅斑)、毛細血管拡張:ビタミンB群・C・E不足
カサカサ(乾燥)、ゴワゴワ(苔癬化):タンパク質・ビタミンA・D不足
という傾向があり、それぞれが重複して皮膚の変化としてあらわれます。
たとえば、よくある湿疹(アトピー)というものは、
教科書的には、紅斑、丘疹、湿潤、苔癬化など多様性変化と定義されますが、
皮膚をじっくり診て、触れて、その変化や分布を確認することで、
どういった体内のどの栄養素が不足しているかを推測することが可能です。(確認は採血でおこないます)
このことは湿疹だけではなく、ニキビやフケ症といったほかの皮膚疾患にも当てはまります。
また不足した栄養を補給するだけではなく、栄養が不足した原因(食生活や消化吸収など)も追究して対応しなければなりません。
皮膚科診療のほとんどは皮疹を診て診断・治療がおこわれますが、
一旦〇〇病という診断がなされれば、
「毎回同じぬり薬」
「スキンケアばかり」
「皮膚を診てくれない、触らない」
「原因不明でぬり薬を続けなさい、と言われた」
といった不満も患者さんからお聞きします。
やはり病名だけにとらわれず、皮膚の変化にある背景や原因にまで踏み込んだ皮膚科診療をしないと、皮膚科としての値打ちや患者さんの満足度もアップしないかと思われます。