こんにちは、院長の栗木安弘です。
先週土曜日は神戸でアトピー性皮膚炎の講演会がありました。
講演会では外用剤のアドヒアランスということが取り上げられていましたが、アドヒアランスというのは、患者さんが積極的に治療方針に参加し、その決定に従って治療を受けることを意味します。
つまり患者さんも病気を治すために、
頑張って治療を続けなければないということです。
皮膚科医としては「ぬらないとアトピーがよくならないという」発想の元、できるだけぬっていただける指導や工夫が皮膚科医には必要であることを講演会で強調されていました。
これを聴いて私自身は少し違和感を感じました。
ぬらないとアトピーはよくならない、治らない。
という発想はほとんどの皮膚科医がもっていますが、栄養療法を理解すれば、皮膚の炎症や保湿は、食事の見直しや栄養補給を続けるだけでも改善することはよくあります。
またアドヒアランスに関しても、日々のぬり薬や保湿を強調されますが、ぬるために生活しているのではありませんし、ぬれば治るというものではありません。(ぬる前にもっと必要なことがある)
患者さんの希望は、まずかゆみの軽減、病気を治したい、薬は使いたくない、治療は副作用がないという思いですが、
皮膚科医は薬でうまくコントロールして付き合って行くという対症療法がメインとなり、治療目標に乖離があるようです。やはりその溝を埋めるのは栄養療法しかないかと日々の診療で実感しています。