こんにちは、院長の栗木安弘です。
栄養療法を取り入れた皮膚科診療では、
血液検査結果を診て栄養評価を行いますので、
クリニックで血液検査を行う前に、
どこかの医療機関や検診で行われた血液検査結果があれば、次回の診察時に持参してもらうようにしています。
実際検査結果を見せて頂くと、基準値内に入っているため、
「異常なし、問題なし」
と言われている方の多くにさまざまな栄養不足があることが分かります。(完璧な栄養状態の方はまずいません)
またコレステロールのような本来は必要ないのに基準値から外れているだけで薬を処方されている方や、
逆に軽い貧血があるにも関わらず放置されているケースもあります。
血液検査項目は臓器別・疾患別に基準値に当てはめて良し悪しを決めることがほとんどですが、
基準値=正常値でありませんし、
検査項目の一つ一つは、
例えばGOT、GPTはアミノ基転移酵素といって、体内の生化学的な反応に関わる項目でもあります。
さらにこうした項目は脱水、軽い溶血、炎症などの要因で本来の値よりも上下することがあります。
生化学的な深読みを医師ができるようになれば、
不定愁訴や病気の多くの要因が栄養障害であると理解でき、
「年のせい、ストレス、アレルギー」でなく、もっともっと患者さんへの対応も変わってくるかと思われます。