こんにちは、院長の栗木安弘です。
毎日診療していますと、
皮膚は掻かずに、何かをぬったり、保湿をすることが皮膚にとって最善の治療やケアだと思われている方が多いようです。
かゆみというつらい症状や目に見える皮膚の異常を早くなんとかしたいという気持ちもあって、
ぬることで薬や栄養成分を皮膚から早く吸収させようとしますが、
皮膚は外側から内側に入っていくのではなく、内側から外側に向かって一方通行に代謝します。(図)
そのため、いくら外側からぬって何かを入れようとしても多少は吸収して効果があるかもしれませんが、
川の流れに逆らって移動するのと同じで、長く続けるにはやはり無理があるようです。
皮膚科医の多くは、
「ぬり薬をうまく使おう」
「ステロイド外用剤は安全」
「スキンケア、しっかり保湿」
を強調しておられます。私も一時的に使用するのは良いかと思いますが、
長くぬり続けることは、かぶれ、刺激症状、易感染、皮膚常在菌の変化、血管拡張、皮膚萎縮につながります。
皮膚を根本的によくするためには、本来は皮膚が必要としている栄養成分を内側から入れてやることです。
対策としてはサプリメントによる栄養補給ですが、それ以外に、
適度な運動・マッサージなどで血行をよくする
貧血の改善(酸素や栄養)
皮膚に至るまでの経路(消化吸収、肝機能)の改善
発汗や便通改善により老廃物を出す
などがあげられます。