こんにちは、院長の栗木安弘です。
金属アレルギーに力を入れてやっておられる先生方には申し訳ありませんが、
個人的には金属アレルギーには懐疑的な考えをもっています。
金属アレルギーが疑われると、
まずいくつかの金属を皮膚に張り付けて反応をみるパッチテストがよく行われます。
しかしパッチテストでの判定は科学的数値ではなく、皮膚の反応を医師の肉眼的な判断で行われ、偽陽性や偽陰性、単なる刺激反応もあります。
陽性反応の場合、ニッケルやクロムなど生体にとって必要な金属に反応を生じること自体がやはり納得できず、 反応した金属の含まれた食材を控えるという対策自体も、
消化吸収の仕組みから考えれば、そんな単純なことではないし完璧には除去できません。(仮に完全除去すれば必須金属の不足が生じます)
そしてもっとも疑問に感じるのは、鉄アレルギーがほとんど報告されないということです。生体内でもっとも多い金属であれば反応する確率も非常に高いかと思いますが、全くそのような報告もありません。
勤務医時代も金属アレルギーの検査をして除去指導もしましたが、劇的によくなった方もおられませんでした。
金属アレルギーというのは、基本的には刺激反応であり、やはり栄養障害で皮膚が弱い方は外からの刺激に反応しやすいため、金属にも容易に反応します。
パッチテストを数回すれば確実性が高まりますが、何回もすれば感作の危険性もあります。
最近、鉄不足がニッケルの吸収を促進するという報告もあるように、
https://nutmed.exblog.jp/21984293/
日々診療していますと鉄不足の方は金属アレルギーが多い印象を確かに受けます。個人的には栄養補給により体内および皮膚の機能を高めれば、金属刺激反応は軽減すると思われます。