誕生日
こんにちは、院長の栗木安弘です。
昨日は誕生日でした。
SNSを通じてたくさんのお祝いメッセージを頂き大変感謝しております。
生まれて~小中高大で24年、医者になって約24年、とちょうど人生半々となりました。
特に後半は山あり谷ありの医者人生で、
振り返ってみると20代は大学病院が中心で、研修医時代は皮膚科を止めようと思った時期もありました。その後は皮膚科助手として重症患者、手術処置、学会などの対応に追われ心身共に疲れ切っていました。
30代は一般病院勤務となり、皮膚科専門医を取得し、日々外来診療、入院加療、手術、レーザーなどを積み重ね、充実した皮膚科診療を勤しんでいました。
ある程度仕事ができるようになると、心の底では、
「病院皮膚科で十分、皮膚科開業医なんか必要ない」
「自身は開業しない」
と決め、勤務医のまま医者人生を全うする人生設計でした。
しかし、栄養療法に出会い、その素晴らしさに魅了され、
栄養療法をどうしてもやりたいという強い思いから、40歳過ぎで開業を決意。
これまで多くの方々にご迷惑をかけ、助けられ、試行錯誤を重ね、
今年で開業7年、ようやくここまで来たなぁという感じです。
考えてみると、仕事そのものは常に綱渡り状態でしたが、幸いにも大きなトラブルや事件、事故、病気もなく、さらに画期的な栄養療法に出会い、私自身とてもラッキーだったと感じます。
これから人生の後半がはじまります。
とりあえず、体が続く限り、皮膚科診療や栄養療法を通して、少しずつ恩返して行きたいと思っています。
皮膚科での栄養療法
こんにちは、院長の栗木安弘です。
ここ何年か学会等で栄養と栄養に関して、何回も学会発表をさせていただいておりますが、
やはり皮膚科の世界では、
ぬり薬・スキンケアが中心
組織診断や手術手技
研究、珍しい症例、難渋例
原因はアレルギー、難しい遺伝子異常
レーザーや美容処置
ということが主流であり、
栄養と皮膚疾患、皮膚を栄養で内面から治すということが、
皮膚科の世界ではまだまだ認識が薄いことを、学会参加・発表しますと大いに実感します。
皮膚は内臓の鏡という言葉も盛んに強調されている方もいるようですが、体内の栄養代謝障害ではなく、専門家が内臓の病気を適切な薬物治療で治すというくらいの認識しかありません。
新しいことはなかなか受け入れにくい医学会ですが、
どこに行ってもよくならない、どうしたらいいのか分からない患者さん、
あるいは日々の診療で行き詰ったり、困っている先生方は、
ぜひ、皮膚と栄養(栄養療法)について学んでいただきたいと思っています。
今後の予定としては、大阪地方会、中部支部総会、歯科医師および歯科衛生士向けセミナー、などで引き続き情報発信を予定しています。
かゆみは減らない。
こんにちは、院長の栗木安弘です。
かゆみというのは非常に不快な症状で、
皮膚科を受診される患者さんの大半はかゆみを主訴に受診されます。
たとえ見た目が悪かったり、皮膚病が治らなくても、かゆみを抑えれば快適な生活はおくれますが、現状はかゆみを100%抑える薬はありません。
経験上、かゆみは突然台風のようにあらわれ、しばらくすれば過ぎ去っていくことが多いため、かゆみを生じるタイミング、何かを食べたあとか?、いつも起こりやすい時間はいつか?、どうしたらかゆみがましになるか?などをあらかじめ知っておいて、対応することがいいかもしれません。
私自身のかゆみ経験では、
糖質が多い日、コーヒーやアルコールをたくさん飲んだ日の夕方~夜~翌日にかけてかゆみが生じるため、こうした食品をできるだけ避けるようにしています。
かゆみが強い場合、当然掻くのは我慢できませんので、人目につかないように掻いて、ひどい場合には薬を飲んでい抑えたり、スーとするぬり薬、エアコンの冷気を当てたり、逆にや熱いお湯をかけたりすればましになります。
何かに夢中になっている場合には、強いかゆみはあまり感じないようです。
また長年、栄養療法をしているせいか、強く掻いても、その痕が感染することや、あざや傷が残ることはほとんどありません。
生化学的には皮膚におけるコラーゲン強化もかゆみ予防や軽減につながりますので、
糖質過剰による糖化を予防し、コラーゲンの材料である、タンパク質・鉄・ビタミンC(最低でも3g/日以上)をできるだけ多く飲むようにしています。
かゆみを抑える新薬なども開発されていますが、
体内の栄養代謝異常(その積み重ねが病気に)のあらわれである“かゆみ”を無くしてしまうことは、あまりよろしくないかもしれません。
昨日は学会
こんにちは、院長の栗木安弘です。
昨日は大阪梅田で近畿皮膚科集談会がありました。
私も発表のため会場に向かっていましたが、
途中で発表データが入ったUSBがかばんに入っていないことに気が付きました。
こんなことは今までなかったので、
気づいた瞬間、ただでさえ蒸し暑かったのに、冷や汗が全身からあふれ出て、
「どうしよう」
「引き換えして帰るか」
「演題取り消しにしようか」
と思いましたが、いずれにしても学会に報告しないといけないので、気を取り直して会場に向かいました。
一応事務局の担当の方に事情を説明し、データはクラウド上に保存していたため、パソコンをお借りしてうまく取り込むことができました。ただしダウンロードに時間がかかり、発表の時間は間に合わなかったのでずらしていただきました。
事務局に方々、座長の先生大変ご迷惑をおかけしました。
発表はリーキーガットに関する内容であり、
学会が認めないこの疾患は予想通りお偉い先生から厳しいご指摘を受けました。
しかし、珍しい疾患、治療に難渋した疾患、難しい研究ばかりが学会テーマのなか、リーキーガットという広く一般には知られていても医師の間では全く認知されないこの疾患を知っていただくよい機会であったと思われました。
そんなわけで昨日は大雨も重なりてんやわんやの学会でした。
皮膚科の“診る”ということ
こんにちは、院長の栗木安弘です。
皮膚を診るというのは皮膚科医の基本です。
しかし多くの皮膚科医は、病名をつけることをその目的とされているようですが、
私自身は病名だけでなく、
皮膚の詳細な変化の原因を栄養というフィルターを通して追究したいと思っています。
そのため、皮膚を肉眼的に診るだけではなく、
驚かれる方もいるかもしれませんが、自身の顔を患者さんの皮膚に近づけて拡大鏡を用いて診察することもよくあります。
そうやってじっくり診ていくと細かい皮膚の変化が見えてきます。
さらに診るだけでなく、皮膚に触れることで、ぶつぶつ、ザラザラ、冷たい、浮腫み、硬い、など触って初めてわかる変化もあります。
つまり、視診と触診(時に臭いなど)を駆使して、皮膚の詳細な変化を観察しますが、もちろん皮疹の分布状態や問診なども参考にします。
そうやって皮膚を診ていくと、
「あぁこの方、鉄が足りてないなぁ」
「亜鉛とビタミンAが不足気味だなぁ」
「糖質の摂り過ぎだろう」
というのがある程度予想がつきます。(詳細な確認は血液検査)
いつも申し上げているように、
診断(病名)も必要ですが、診断された方は体の栄養代謝異常による皮膚の変化のある方(病人)です。いくら病名に対する決められた治療をしても、
「よくならない」
「薬をやめたら出てきた」
「再発、繰り返し」
という方は、やはり病人自体を治さなければよくなりません。
対症療法
こんにちは、院長の栗木安弘です。
医者になったころは、病気を治したいという期待をもって仕事に励んでいましたが、
2~3年過ぎて外来診療を行うようになってから、
「皮膚科というのは対症療法ばかりだなぁ」と感じるようになりました。
例えば、
皮膚の赤味やかゆみが強ければ、ステロイド外用剤
皮膚が乾燥してカサカサであれば、保湿剤
ジクジクやひび割れは、亜鉛華軟膏
など、当たり前ですが、表面の対応ばかりです。
そのことに気が付いて悲観する一方で、多くの皮膚科医がそうであるように、
ぬり薬という武器をうまく使いこなすことが皮膚科医の使命や技量だと思い、
私自身も効果的なぬり方を教科書や論文を参考にしたり、学会での発表や講演会を拝聴して模索していたこともありました。
しかし結局は、外から何かをぬるという対症療法であることには変わりなく、
皮膚を根本的に治すためには、皮膚代謝を理解すれば、
やはり内面からアプローチしなければよくならないと、
栄養療法に出会ってから強く確信するようになりました。
皮膚の変化の背景には必ず体全体の栄養状態が深く関わっています。
そのことを理解すれば栄養療法と対症療法の組み合わせがベストであると考えます。
通常皮膚科クリニックといえば、レーザーや美容治療併設がほとんどですが、甲子園栗木皮膚科クリニックはできるだけ、根本的でベストな治療を目指しています。
手荒れと栄養
こんにちは、院長の栗木安弘です。
皮膚科診療では手荒れはよくある疾患です。
水や洗剤による刺激や職業的(美容師)なことが原因、対策は刺激回避やゴム手袋着用など、
薬はお決まりの、カサカサには保湿剤、ひどい時はステロイド外用剤が、
どこの皮膚科に行っても処方されます。
しかし、よくならない、繰り返し、という方は後を絶ちません。
「保湿が足りない」
「ぬり方が悪い」
という医師もおれば、挙句の果ては、
「家事を止めない、仕事をやめなさい」と心無いことを言う医師もいます。
自身もそうですが、手にクリームや軟膏などは仕事中はべたついてぬれませんし、ぬりたくもありません。
やはり皮膚そのものを刺激にまけないようにすることが大切であると考えます。
そのためには食事の見直しや十分な栄養補給をおこなうことが手荒れに限らず、治りにくい皮膚疾患に必要な対策であると思います。
「手荒れにはどんな栄養が必要?」
それは手荒れという病名ではなく、詳細な皮膚の変化をじっくりみることで分かります。
栄養療法は治療
こんにちは、院長の栗木安弘です。
「サプリメントは必要なし」
「食事の栄養で十分」
「食事を変えれば〇〇はよくなる」
を強調される方が多く、書店に行けば、〇〇食というような食事療法を推し進めている本が山のように並んでいます。
確かに食事を見直すことで一部の疾患や症状も改善し、サプリメントは必要ないかと思われますが、 栄養療法の基本はドーズレスポンスという概念に基づいており、
食事摂取や自己で生合成できる栄養量より10~100倍以上の栄養を摂取することに意味があります。
食事の見直し、サプリメントなしで越したことはありませんが、
栄養を多く摂取することで予防効果や治癒力が高まっていきます。
つまり、栄養療法は食事とサプリメントを用いた“治療法”だということですが、
現実は、「食事に含まれた栄養、バランスのよい食事、サプリメントに頼らない」というのが金科玉条のようであって、こうしたスタンスの強いTVの健康番組では、番組スポンサー等の影響もあって、特定のサプリメント会社のサプリメントを用いたこの画期的な栄養療法は残念ながら大きく紹介されることはありません。
カサカサ
こんにちは、院長の栗木安弘です。
乾燥肌の状態を分かりやすい言葉で表現すればカサカサです。
カサカサは診ただけで誰でも分かりますが、
よぉーくみればいろいろなカサカサがあるのが分かります。
①毛穴に一致したカサカサ(フケで多い)
②皮膚の溝にそったカサカサ(手荒れで多い)
③毛穴の膨らんだカサカサ(ザラザラ)(子供の乾燥)
④皮膚がゴワゴワにともなうカサカサ(アトピーで多い)
⑤水疱のあとが丸くなるカサカサ(襟飾り状)(手荒れで多い)
⑥ひび割れのカサカサ(かかとに多い)
⑦その他、水虫などのカサカサ
などその細かい変化は拡大鏡で診て、触らないとその判断が分かりません。
栄養的に言えばカサカサの種類によりビタミンA不足、亜鉛不足、鉄不足に分かれますが 部位や重症度により混じっていたり、赤味やブツブツなどいろいろな皮膚の変化も合併していることがほとんどです。
こうして診ていくと、皮膚はまさしく内臓(栄養)のあらわれということを痛感します。
カサカサ=乾燥=保湿剤という方程式で、皮膚科ではヒル〇〇ドが処方されますが、カサカサの背景にはさまざまな体内の栄養の問題が隠れています。
学会発表
こんにちは、院長の栗木安弘です。
皮膚と栄養、皮膚科診療における栄養の重要性をできるだけ皮膚科の先生に理解してもらうため、年に数回は皮膚科の学会で発表をおこなっています。
珍しい症例、難渋した症例、研究症例などが多い学会のなかで、
皮膚と栄養に関する内容は、ある意味異質でアウエイ感と緊張感がありますが、
出来るだけ続けていくことで、多くの皮膚科の先生に栄養療法に興味をもって頂けると信じています。
今回も「アトピー性皮膚炎と鉄」という演題で、発表いたしますが、
アトピー性皮膚炎を何とかしたい、という思いで出会った栄養療法の基本が鉄ですので、基本に戻ったつもりで分かりやすくご紹介したいと思います。