ブログ

2017.12.18

ひねくれ皮膚科

こんにちは、院長の栗木安弘です。
基本的に何事も素直に考えず、疑り深い性格なので、
皮膚科の世界で決められた診療の様々なことも、素直に受け入れず、常に疑問をもっています。 そんなひねくれ皮膚科医は、通常行われるぬり薬やスキンケア中心で、美容やレーザーが主流の皮膚科クリニックが当たり前のなか、あえてぬり薬に頼らない内面からアプローチする栄養療法を取り入れた皮膚科診療を行っています。

皮膚科の世界では、「ぬり薬は皮膚科の命」というほど大切な治療の武器であるため、 多くの皮膚科医は、ぬり方の指導や工夫、ぬり続けてもらうためのコツ、画期的なぬり薬を追究し続けています。しかし一方で、
「ぬるのをやめるとまた出てくる、繰り返し」
「ぬり薬が合わない、かぶれる、刺激がある」
「ステロイド外用剤の副作用」
「アトピー性皮膚炎におけるリバウンド、タキフィラキシー」
「ぬれない、面倒、続かない(特に男性)」
というさまざまな問題も生じています。
こうした問題は、皮膚の本来の代謝を理解すれば、やはりサプリメントを用いた内側から栄養アプローチが、万人が可能で、ぬるという負担も少なく、ぬることの副作用やトラブルの軽減につながると確信しています。
自身もサプリメントを服用してからというもの皮膚トラブルは圧倒的に少なくなりました。
私のことをサプリメントばかり勧める皮膚科と言われるかもしれませんが、体(皮膚)に必要なのは薬(ぬり薬)ではなく、十分な栄養であることを理解していただきたいと思っています。

2017.12.08

アレルギーに負けない体

こんにちは、院長の栗木安弘です。
アレルギー患者さん年々増加しており、
友人のお子さんも重度の食物アレルギーがあっていつも食べているものに気を配っています。
一般にはアレルギーは食品でも花粉でもアレルゲンとなる原因物質を特定し除去することが基本ですが、最近ではアレルギーを克服しるために経口あるいは舌下での免疫療法も進められています。
しかし、なかなかうまくいかないこともあり、
アナフィラキシーショックや心肺停止事例も最近ニュースでとりあげられています。
http://www.asahi.com/articles/ASKCG5DGTKCGULBJ00W.html

原因物質の特定や除去以外に、
個人的には、食物アレルギーや消化吸収(腸内環境)、気道アレルギーは粘膜の強化を同時に行うことが、アレルギーの克服につながるかと考えており、
実際に、アミノ酸、グルタミン、ビタミンA・B群・D、亜鉛、鉄、EPA&DHA、乳酸菌等のサプリメントをお勧めすることが多く、栄養療法でアレルギーの克服をすることも可能と考えています。

多くの医師はサプリメントに否定的ですが、サプリメントを活用するということは、アレルギー克服だけでなく、アレルギーがあって食物制限されている成長期のお子さんの栄養補給にもなります。

2017.12.01

鉄とかぶれ

こんにちは、院長の栗木安弘です。

明確なエビデンスはありませんし、皮膚科のなかでも理解されていませんが、
日常診療をしておりますと、
鉄不足の方は、いわゆる皮膚が弱く、かぶれやすい傾向であると確信します。
 ニキビ外用剤(ディフェリン、ベピオ)で刺激症状(かさかさ、赤味)
 金属アレルギーがある。
 湿布や紫外線、絆創膏に負けやすい。
 髪の毛や服のこすれですぐにかゆくなる。
 化粧品や毛染めが合わない。
 汗でかぶれる。
といった症状や疾患があらわれやすく、
特に生理のある女性(鉄不足)にこういった症状をよく経験します。
以前茶のしずくという石鹸でアレルギーを生じた若い女性がおられましたが、閉経後の母親は何ともなかったようです。

皮膚における鉄の役割は
 皮膚への血液(ヘモグロビンによる酸素・栄養運搬)
 真皮内コラーゲン合成
 皮膚細胞のエネルギー
 活性酸素除去
など、他にもたくさんありますが、
鉄不足の場合は皮膚のこうした機能(バリア機能)が低下するため、外からの刺激に負けやすくなるのでしょう。なかなか皮膚がよくならない鉄不足の方は、意外と外からの刺激に負けている可能性があるため、極力、ぬり薬、保湿剤、化粧品、合成洗剤、日焼け止めなどは少な目に使用するか避けていただく方が無難かもしれません。

 

2017.11.22

栄養療法を学ぼう。

こんにちは、院長の栗木安弘です。

最近やたらと健康や病気に関するTV番組が目につきます。
専門家と呼ばれる医師が病気の解説をしたり、予防や治療法などをコメントされていますが、ほとんどの医師は食事で何とかしようという考えの方ばかりです。
 「〇〇という病気には△△という食事や食材がよい」
 「バランスよい食事を」
 「肉は控えて、野菜を多く」
などサプリメントを使う発想やコメントは一切ありません。
仮にそう言ったとしても、食品メーカーが番組スポンサーになっておれば、サプリメント云々は編集でカットされるでしょう。

日々の食事も確かに重要ですが、
冷静に考えれば、全ての食材に均等に栄養が含まれるわけではありませんし、
調理により栄養価も低下しますし、体にいいとされる食事や食材は毎日摂取できません。
さらにもっと重要なことは個々の消化吸収力の差もあります。(ちなみに医師が処方する薬剤により消化吸収代謝障害も起こります)

栄養療法を学んでいくとこうしたことや、サプリメントの必要性や治療効果を大いに実感しますが、  現代医療しか信仰のない医師は、
「栄養はバランスのよい食事で、サプリメントは必要なし、病気は薬で予防・治す」というとても残念な発想だけしかありません。
病気を薬でコントロールではなく予防や“治す”という観点から見れば、やはり栄養療法を理解しなければならないでしょう。

2017.11.17

カサカサ対策

こんにちは、院長の栗木安弘です。
たまには皮膚科のことも書かなければなりません。
毎年この時期から、皮膚の乾燥を訴える患者さんがちらほら受診されるようになります。
一応最近、マスコミ等で賑わせているヒルドイドを処方しますが、
栄養療法実践皮膚科医としては、皮膚のうるおいに必要な食事や栄養の話に加え、
できるだけ顔や体を洗いすぎないように指導をおこなっています。

具体的には、
①合成洗剤はほとんど使わない。
 使っても純石鹸で脇、陰部、耳の後ろなど臭う部位だけ使用する。当然ゴシゴシしない。
②リラックス効果はありますが、熱いお風呂や長風呂は毎日は控える。
③シャワーの水圧を避ける。(意外と多い)
④衣類に残った洗濯用合成洗剤や柔軟剤なども乾燥を生じます。
などに注意していただきます。
スーパー銭湯や温泉に行き、湯船に浸かりながら洗い場を見ていますと、泡まみれでゴシゴシの方ばかりです。
 
世間一般に体の汚れを落とし、保湿をするのがいいように言われていますが、
洗う→乾燥かゆみ→予防のためにぬる→洗う→乾燥かゆみ→ぬる→…
の繰り返しで、スキンケア関連会社は儲かりますが、永久にこれが続きます。
しっかり洗って、保湿すると気持ちがいいという方は一向に構いませんが、
乾燥がひどい、ぬるのが肌に合わない、保湿がベタベタする、外用が面倒という方はシンプルに洗浄剤は使わない・洗わない・シャワーなしという選択肢も考えていただければいいかと思います。

 

2017.11.10

歯科医師会での講演

こんにちは、院長の栗木安弘です。
昨日はクリニックを休診にして、 春日井市で行われた歯科医師会学術大会の講師として、
 「皮膚からみた栄養代謝異常~皮膚は内臓(栄養)の鏡~」というテーマで、
普段の診療でおこなっているノウハウや簡単な栄養の話、症例を交えて90分間講義をさせていただきました。

歯科医師会というと何か堅そうなイメージで、栄養にはあまり興味がなさそうな印象をもっていましたが、そんな雰囲気は全くなく、春日井市歯科医師会の先生方は非常に興味深く、熱心にお聴きになっていてとてもうれしく思いました。
やはり、口腔や歯、かみ合わせ、甘いもの(虫歯、歯周病)など、歯科は意外と栄養と関わりの深い分野であることが栄養に取り組む一つの理由かもしれません。
ぬり薬や保湿というイメージが強い皮膚科ですが、何年か先にこうした講演が皮膚科学会等できればなぁ思います。
とにかく、皮膚をはじめ口腔粘膜・歯茎・舌・口唇など目に見える変化は必ず栄養の問題が背景にあることを理解していただき、食事指導や栄養補給を勧めていただければ日々の診療に大いに役立つことになります。

2017.11.06

血液検査データの理解

こんにちは、院長の栗木安弘です。
先日、栄養療法の血液検査の読み方の応用編であるアドバンスセミナーを受講しました。
このセミナーももう数えきれないくらい受講しておりますが、
毎回内容や嗜好が違っており、今回も新しい発見があり、非常に勉強になりました。
ほとんど医師は基準値をみて、
 「肝臓・腎臓が悪い」
 「貧血がある」
 「〇〇病と診断」
と判断します。つまりそれは病人ではなく病気かどうかあるいは病気の程度を判断するだけにすぎません。
栄養療法を学ぶと、各検査項目は体の栄養代謝を表す項目であるのが理解できます。(例えばAST・ALTは肝機能だけではなく、アミノ機転移酵素)
各検査項目はさまざまな要因(脱水、炎症、軽度溶血)で上下(マスクされたデータといいます)しますが、細かい上下要因も他の検査項目で確認し栄養評価を行います。
栄養アプローチにて、こうした上下要因を少しずつ取り除いて、より真の検査結果を確認し病態改善に結びつけます。

不調や不定愁訴や皮膚のトラブルがある場合、
多くは、
「血液検査は異常なかったので心配なし」
「原因はストレスや年のせい」
「原因不明」
などと言われますが、こうした深読みでの栄養代謝異常を把握することも可能です。
このブログだけ読んでもこうした深読みはほとんど理解できない医師がほとんどですが、日々の診療のなかでは知っておかなければならない重要なことだと思われます。

2017.10.31

ヒルドイドの問題

こんにちは、院長の栗木安弘です。
ヒルドイドの美容目的での乱用が最近ニュースとして取り上げられています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171030-00000049-san-hlth
美容雑誌での評判記事やSNS・インターネットの口コミをみて、
美容液や保湿クリームの代わりにヒルドイドを希望される患者さん多くが受診し、
保険診療で処方されるケースが相次いでいます。

処方する皮膚科医にも責任の一端があるかもしれませんが、
個人的には、保湿を推奨してきた皮膚科全体の責任は大きいかと思われます。
乾燥肌、アトピー、ニキビ、フケ、かゆみや食物アレルギーの予防で、保湿の重要性を強調し、治療の一環として皮膚科全体で決められておれば、
「保湿をすればかゆみがましになる」
「食物アレルギ-やアトピー予防で」
「乾燥を防ぎたい」
と患者さんから言われれば、当然皮膚科医は断る理由がありません。
一応クリニックではこうした患者さんには、処方制限や、あくまで薬ということ強調し、必要であれば使用し、よくなれば中止するように指示しております。
乱用により、医療費の圧迫もさることながら、私自身もっとも懸念していることは、ヒルドイドをはじめぬり薬を長期ぬることによる軽皮感作(アレルギー獲得)です。
長期間皮膚に塗布するということは、ヒルドイドをはじめさまざまなぬり薬に含まれている薬物、添加物、界面活性剤、保存料にアレルギー反応を起こす可能性もあります。
こうしたケースが今後増えれば、他の薬や化粧品やクリーム、食品などにもアレルギーを生じる可能性も出てきます。

やはりぬり薬はほどほどにし、いつも言っているように、本来の皮膚の代謝である内面からの保湿や治療(栄養)アプローチを皮膚科医をはじめ多くの方が理解して実践すべきであると思われます。

 

2017.10.23

鉄利用障害

こんにちは、院長の栗木安弘です。

鉄不足はおもに、かゆみ、かぶれ、ぶつぶつ(丘疹)、あざ、顔色が悪い、爪の異常、抜け毛、肝斑という皮膚の変化があらわれます。
特にMCVやフェリチン低値の鉄不足の場合に、上記のような皮膚の変化や症状が特徴的ですが、ときどき、フェリチン高値でもみられることもあります。 

フェリチン高値の場合、AST、ALT、γ-GTP、高感度CRP、血清鉄、銅、コレステロールなどの検査項目をみて病態を確認しますが、多くは、
 ①脂肪肝、炎症による鉄リリース抑制
 ②タンパク質代謝低下による鉄の利用障害
を合併していることがほとんでです。
こうした場合、ヘム鉄は少量で、
まず脂肪肝や炎症に対する抗酸化アプローチ、
プロテインやビタミンB群や亜鉛やマグネシウムなどを優先に栄養アプローチを行います。

ただしこの辺りの応用的な話は、 医師も患者さんも、なかなか理解していただくのが難しく、また皮膚を内面から栄養で治療するという発想もほとんどありませんので、
「ぬり薬だけほしい」
「ぬればましになるから」
というだけで、そこまでされる方は少ないようです。
引き続きブログを通して、皮膚と栄養の重要性・必要性、栄養療法の理解をさらにもっていただきたいと思います。

2017.10.14

こんにちは、院長の栗木安弘です。

本は好きなのでよく書店に行きますが、
皮膚科の関連の本ではなく、栄養療法・栄養代謝に関する本をよく購入します。
病院勤務の時は、
「皮膚・皮膚科についてしらないことが無いように」
「誰にも負けない皮膚科の知識を得る」
という強い思いから、
皮膚科の本や医学雑誌を片っ端から買っていて、病院時代の医局の机には、書店の皮膚科コーナーよりも多くの本や雑誌が陳列しておりました。(下写真)

しかしこれだけ本があって、毎日読んで実践しても、結局はあまりよくならず、日進月歩の医学においては、診療の問題点を何一つ解決することができませんでした。

その後、栄養療法を知って、皮膚以外の栄養代謝や生化学関連の本を読むようになり、栄養療法の知識を持つようになってからは、日々の診療の疑問の解決と応用が可能となり、今ではそちらの本ばかりが増えています。
問題解決は、自分自身の世界を広げることだと誰かが言っていましたが、各科の専門性が強い医学ではまさにその通りだなぁとつくづく感じます。

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