こんにちは、院長の栗木安弘です。
かゆみを訴える高齢者はよく受診されます。
通常は乾燥肌が原因と考えられており、かゆみ止めや保湿剤の処方がおこなわれますが、
それでもよくならない頑固なかゆみが続くこともあります。
栄養的に言えば、鉄不足がかゆみの原因となり、高齢者の多くに軽い貧血や鉄不足が認められます。
ただ多くの場合、貯蔵鉄であるフェリチンは測定されませんし、(測定しても基準値が幅広すぎで問題なしと判断される)
Hbが低い場合には軽い貧血ということで放置されているケースが多いようです。
鉄不足は食事以外に薬剤による代謝異常も原因と考えられます。
また、かゆみは薬剤性という場合もありますが、現状では中止や減薬は難しいようです。
(薬の添付文書には必ずかゆみという副作用が記載されている)
主治医からは、
「血液検査は基準値に入っているから問題なし」
「治療はうまくいっている」
「内臓は問題ない」
と言われても、
実際、かゆみが強い、皮膚のトラブルで悩まれている高齢者は大勢おられます。
一発で効くぬり薬を皮膚科に期待されますが、やはり減薬、栄養対策をすすめることが必要です。