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2015.05.18

皮膚の役割

こんにちは、院長の栗木安弘です。

今回は少し基本に戻って、皮膚のはたらきについてご紹介します。

毎日多くの方の診療をしていて、
皮膚が臓器の一部で、日々の食事から作られているということを自覚されている方はほとんどおられないようです。
栄養が皮膚に届くことで、新しい皮膚細胞が作られ、古い細胞は垢(アカ)になって脱落していきます。
これを専門用語で“角化”と言います。(角化の材料はビタミンA、亜鉛、コラーゲン)

角化は皮膚の内部から外部に向かう一方通行の代謝で、
古い細胞だけでなくメラニン色素や重金属や老廃物、汗や皮脂なども排出していきます。
つまり皮膚は排泄器官であるということであり、
外側から軟膏やクリームや保湿剤を長くぬり続けることは、
とても不自然で無理があることは容易に理解できるかと思われます。

皮膚のケアや治療は、一般的にはスキンケアやステロイド外用剤が常識のようで、
学会に行けば、保湿の重要性、ステロイド外用剤の安全性がしきりに強調されていますが、
皮膚をよくするためには、皮膚に栄養が届くための十分な血液と、
十分な栄養を体の内側から与えてあげることが最も自然で安全な方法だと言えます。

逆に考えると、皮膚がかゆい、赤い、ブツブツ、ジクジク、カサカサなど、
皮膚のさまざまな変化や異常は、血液や栄養状態の異常のあらわれとなります。
こうした細かい変化を読み取り、内臓の異常をみつけることも皮膚科医には求められます。

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