MCV
こんにちは、院長の栗木安弘です。
血液検査項目の一つですが、低い高いで色々なことが分かりますし、
何らかの疾患が隠れている可能性や次にする検査も分かります。
しかし実際の診療では、検査項目の意味はあまり理解されず、
基準値から外れていても問題にされないことがほとんどです。
そういう私も栄養療法に出会う前は、検査は行ってもMCVは眼中にありませんでした。(医学部では習っていないから当然です)
血液検査は診断や病勢の判断に用いられますが、栄養療法では従来からある検査項目を深く読み込んで病態を把握します。基準値で一喜一憂するのではなく、検査項目の生化学的な意味、なぜその結果なのかを考えること、経時変化を見ることが重要です。
血液検査の理解
こんにちは、院長の栗木安弘です。
勤務医の時は必要と思われる検査をしておりました。
しかし開業してから血液検査について色々知るようになりました。
①検査項目は限られている
検査項目ある程度は包括で、検査項目を増やしても入ってくる点数(1点が10円)は同じです。そのため、検査項目を増やせば、検査会社に支払う金額が増え、クリニックの損失となります。また検査項目が多いと保険審査で「余計な検査」「過剰な検査」と判断され却下される場合もあります。
②検査の追加
採血した検体は、病院や検査会社に一定期間保存しています。検査項目を追加したい場合には、項目によっては保存検体を使うことが可能です。しかしこのことをご存じない医師もおられ、以前他院で2週間ごとに追加採血されていた可哀想な患者さんもおられました。
③基準値≠正常値
健康診断等で行われる血液検査項目ですが、これらの検査の基準値は正常値ではありません。そもそも基準値の決め方が科学的ではないため、検査会社によって基準値が違っていたり、幅が広い、下限がなかったりします。検査結果は、炎症、溶血、脱水、栄養障害などで影響を受け、栄養療法によってこうした要因が取り除かれると本来の値となります。
こうした血液検査の知識は本来は医学部で教えるべきかもしれません。
栄養相談
こんにちは、院長の栗木安弘です。
クリニックでは、診察時間以外に栄養相談という予約枠で、
血液検査の説明や栄養療法のご相談を行っております。
特に血液検査は、検査項目の意味を理解した読み方(深読み)で、
自身の栄養の問題点を把握していただくようにしております。
血液検査というのは基準値に入っておれば、「異常なし」と短絡的に判断されます。
しかし、病気のあるなしに関わらず栄養の問題が存在する限り、
治療がスムーズに進まなかったり、体調不良や倦怠感や痛み、皮膚トラブルを訴える方も少なくありません。
以前、栄養の勉強会で、
「医学部からこうした生化学的な栄養の読み方を教えるべきである」
と誰かがおっしゃっておられました。
病気に対する決められた対応だけでなく、栄養障害にある病人の理解と対応も必要です。
血液検査の理解
こんにちは、院長の栗木安弘です。
栄養療法を勉強した医師は既にご存知ですが、血液検査は、基準値がすべて正しいわけではありません。また結果というのは、採血手技や体位以外に、栄養障害、軽い炎症、軽い溶血、脱水等で、上昇低下するため、初回の場合には本来の数値が出ないことがよくあります。
これをマスクされたデータといいます。
この理論を理解した時、栄養療法ってすごいなぁと感じました。
マツコデラックスは明らかに脂肪肝体型ですが、実は血液検査結果は全く異常がないとおっしゃっています。これもおそらくマスクされた状態と推測します。
このご時世、マスクは必要ですが、血液検査に関してはマスクを外すことが重要です。
基準値の決め方やマスク理論が理解されるようになれば、病気の原因や病態の理解もグッと進んでいきます。
ただ一旦決められた血液検査項目や基準値を全面的に見直すことは手間と労力、そしてそれ以上に頭の固い医師の理解が必要となります。
炎症体質
こんにちは、院長の栗木安弘です。
炎症の評価は、CRP以外に、白血球(分画)、蛋白分画、AST,ALT、LDH、銅と亜鉛、フェリチンなどいくつかの項目で判断します。
炎症は誰でも起こりますが、持続する場合が問題です。
慢性炎症は、組織の線維化や血栓形成を生じ、炎症を起こす部位によってアトピー、乾癬、関節リウマチ、膠原病、潰瘍性大腸炎、動脈硬化、がん、認知症、肝炎につながります。
通常はステロイドや免疫抑制剤が使用されますが、栄養での抗炎症対策は、
糖質(血糖)コントロール
EPA/DHA(+SPM)などの油
消化管対策(ビタミンD、グルタミン、亜鉛、善玉菌や食物繊維など)
タンパク質やビタミンB群・C・Eなどの副腎対策
その他の天然抗炎症成分の投与
などがあげられます。
皮膚においては、赤味が強い、虫に刺されが赤く腫れる、傷跡が残りやすい、苔癬化という方にはこうした栄養アプローチを普段からお勧めします。
血液検査を正しく理解したい。
こんにちは、院長の栗木安弘です。
血液検査の栄養の読み方は今から十二〜三年前に知りました。
血液検査は基準値に基づいて、診断や治療効果の判定に使用されるのが一般的ですが、
栄養の読み方を知った私にとっては衝撃的なことでした。
以後、もっと知りたいということで栄養療法を勉強するようになりましたが、
まだまだ知らないことも多く、毎日血液検査を見て過去の栄養の資料や教科書を読み直して考えています。
栄養の読み方で体内の代謝が把握でき、
さまざまな症状や皮膚の変化の理由や選択すべき栄養素が理解できるようになります。
病気は実態のない盲目的なものです。
病気に対する治療だけでなく、
医者として体の仕組みをきちんと理解して治療を考えたいと思います。
ペプシノーゲン検査
こんにちは、院長の栗木安弘です。
ペプシノーゲン検査とは、胃酸分泌、胃粘膜炎症、萎縮胃の程度
を知るための有用な検査です。皮膚科のほとんどは行っていませんが、皮膚は内臓(栄養)の鏡として捉えている当クリニックでは必須検査です。
特に、
胃腸症状のある方
食べても太らない。
男性の鉄不足
鉄不足なのに血液データが合わない
炎症反応が軽度上昇
赤ら顔、慢性じんましん、頑固なかゆみ、アトピー
という方を対象に検査を進めています。(胃酸抑制剤服用中は正確に出ません)
皮膚という漢字には胃が入っています。
消化吸収を整えることが皮膚の改善につながります。
ヒントは血液検査に
こんにちは、院長の栗木安弘です。
通常、血液検査結果は基準値に入っておれば「異常なし」と判断されます。
異常がなければ安心ですが、患者さんの訴える症状や病気の原因がはっきりしないままとなります。
栄養療法では血液検査を生化学的な読み方で評価をします。
当然その読み方は基準値だけでは判断できません。
さらに脱水、炎症、軽い溶血で結果は左右され、本来の値が出ないこともあります。
また血液検査の推移を見ていかないと正しい評価もできません。
そうやって血液検査を解釈していきますと、患者さんの症状や病気の背景には非常に複雑な栄養の問題があることが理解できます。そして臓器の一部である皮膚の変化も栄養の表れであることを日々の診療で実感します。
皮膚科医として、スキンケアや塗り薬の使い方を追求して指導することも重要ですが、病気の成り立ちを理解して対処する方が遥かに面白いです。
血液検査には診療のヒントがまだまだ多く隠されており、答えは見つからないかもしれませんが、追求したいと考えています。
血液検査は奥が深い
こんにちは、院長の栗木安弘です。
皮膚を始め、さまざまな不調や症状、精神疾患、不妊、婦人科疾患、生活習慣病、がんなど病気の多くは栄養代謝異常が背景にあると考えていますので、診察時には、クリニックで血液検査を行うか、他院で行われた血液検査結果や健康診断結果があれば持参して頂くようにしております。
基準値からの判断は病気の見方なので、基準値内に入っておれば、医師でも患者さんでも、
「大丈夫」「健康」「治療はうまくいっている」と判断できます。
病気の診断や緊急処置の場合は基準値での見方でも構いませんが、各検査項目が体内の生化学的な代謝成分であることを理解すれば、深読みすることで、糖質、脂質、タンパク質、ビタミン・ミネラル等の代謝異常が多くの方に認められるのが分かります。
さらに血液検査項目は、炎症、脱水、軽度溶血という影響で、本来の数値を正確に示さないということも理解しなければなりません。栄養アプローチを行うことで、炎症、脱水、軽度溶血がなくなってくれば、本来の値が判明してくるため、経時変化を見ることも重要です。
「これが正解」「正しい答え」のない血液検査の見方ですが、多くの疾患の病態改善に貢献できるため医療者にはぜひ理解して頂きたいと思います。
血液検査の読み方のセミナー
https://www.mssco.jp/pdf/basicseminer_2019804.pdf
血液検査とにらめっこ
こんにちは、院長の栗木安弘です。
通常、血液検査というのは、基準値よりも高ければ、高脂血症、糖尿病、痛風、肝臓が悪い、○○病の確定、
など病気の判断に使われたり、治療効果の判定にも活用されます。
これは医療機関だけでなく、健康診断や検診などでもそういった見方で判断します。
医者になって、血液検査というのは、病気の診断や程度を確認するためのものであって、その基準値は、昔は正常値と呼ばれ、絶対的に正しい値と思っていました。
しかし栄養療法を勉強すると、血液検査の基準値というのは実は検査会社によりバラバラで、基準値そのものに科学的根拠は乏しい、ということが理解できるようになります。そして基準値に捉われない生化学的な読み方を学ぶことで、皮膚トラブルをはじめ、不調や病気の原因の多くが栄養に起因するものであると分かるようになります。
栄養療法を実践している医師の一人が、
医学部からこうした血液検査の読み方を学ばなければ、
いつまでも病気しか診ない、診断ばかりに捉われたマニュアル治療しか出来ない医者にばかりになると懸念されていました。
クリニックでは皮膚は内臓(栄養)の鏡として捉え、まず皮膚科医として皮膚の変化をよく診ること(それすら出来ていない皮膚科もいますが…)、そしてその変化が栄養状態にどう反映されているかを、毎日血液検査結果とにらめっこして病態を理解するようにしております。