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2016.06.10

3分診療

こんにちは、院長の栗木安弘です。

悪いとはいいませんが、これでは十分納得できる診察は難しいかもしれません。

特にクリニックでは栄養療法を併用していることもあって、
通常の皮膚科診療に加えて、
血液検査結果説明、食事指導、サプリメントの相談なども私一人で行っているため、
一人10分以上診察時間がかかる患者さんもおられます。
そのため、お待たせしている患者さんも大勢おられますが、
皮膚科治療や栄養療法に真摯に取り組んでいただくためには、やはり丁寧な説明が必要かと考えています。

この間電車に乗っていたら隣のカップルが、
 「医者は薬出すだけ」
 「親身になって考えていない」
という声が聞えてきました。
やはりこうしたイメージを抱かれないためにも十分な説明をして納得して頂きたいと思います。

「病気や薬について、説明されても分からない」とおっしゃる患者さんも大勢おられますが、
せめて自身の栄養状態だけでも理解できれば、食生活の見直し等の自己管理もできるかと思っています。

2016.06.06

日本皮膚科学会総会参加

こんにちは、院長の栗木安弘です。

先週の土曜・日曜は京都で開催され日本皮膚科学会総会に行ってきました。
皮膚科学会総会は皮膚科領域では最も大規模な学会であるため、
全国から皮膚科医や関係者が参加され、会場は大勢の人と熱気であふれていました。

会場の京都国際会館は自然が多く空気もきれいで気持ちいい会場ですが、とにかく遠かったです。
京都駅から国際会館まで地下鉄で約10駅、そこから徒歩で300~500mくらい歩きます。
以前もここで3日間参加したときは京都駅から毎日行っていたため、
その往復と会場内をあちこち移動していため足が痛くてたまりませんでした。

今年は私自身の発表はなく、アトピー、漢方、かゆみ、内臓疾患と皮膚、一般演題などを中心に講演を聴いておりました。
今回もまた新しい知見や知識の整理ができて大いに参考になりました。
しかし講演終了後、
 「いつまで薬をつづければいいでしょうか?
 「止めれば再発します。少量でもいいのでずーと」
という質疑応答を聴いて、
やはり研究、エビデンス、薬の使い方、手技的なことだけでなく、
もっと体質改善、自然治癒力の向上、予防、薬に頼らない治療(減薬)、食事療法、栄養と疾患というテーマも取り入れなければ、
病気は根本的に解決しないような気がしました。

2016.06.02

薬剤性吸収不良症候群

こんにちは、院長の栗木安弘です。

以前、NHKの番組で、
降圧剤によって小腸の微絨毛に萎縮が生じ吸収障害を起こしたビタミンB1欠乏患者さんが紹介されていました。
薬剤性吸収不良症候群

薬というのはもともと人の体にない成分ですので、
肝臓・腎臓障害、発疹、かゆみ、薬疹といったよく知られている副作用だけでなく、
今回のような新たな副作用も生じる可能性もあります。
私自身の経験ですが、感染症や発熱もないのにCRPという炎症反応だけが上がり続けていた患者さんも実は薬剤性であったこともありました。

降圧剤以外に高脂血症薬、血糖降下剤、胃酸抑制剤、抗生剤、痛み止めなどよく使用される薬剤にも、未知の副作用や栄養代謝障害(栄養障害)を生じることもあります。
薬は必要なときはしっかり使いますが、よくなれば薬を減らしていく努力を医師も患者さんもしなければなりません。
こうした努力をされているクリニックもありますが、
クリニック院長の友達に聞くと、血圧測定、世間話をして、 
 「いつも通り処方しますね」
 「今日はどの薬が要りますか」
というやりとりだけで終わっていることも多いようです。

2016.05.11

薬を止めたい。

こんにちは、院長の栗木安弘です。

医療機関に通院されている患者さんのなかに薬を止めたいという方は何人もいますが、
主治医の前では、薬を止めたいとはなかなか言えず、
「飲んでおいたらいい」の一言で仕方なく飲んでいる患者さんも少なくありません。

慢性疾患の場合には、症状や検査異常を薬で抑えつけるしか方法がないため、
主治医も薬を止めて悪化した時の責任が取れないため、永遠と薬が続きます。
とくに高血圧、心臓、糖尿病、高脂血症、不整脈、精神疾患といった生命にかかわる疾患の場合には、
容易に減薬や中止は行いませんし、患者さんも薬がなくなれば不安になり医療機関を受診し続けます。

私も10種類以上服用されていた高齢者に減薬目的で主治医に手紙を書いて郵送しましたが、
なかなか現状では減らすことができないという返事をいただいたこともありました。

薬も症状緩和や緊急処置には必要ですが、
長く使用し続けることで栄養障害が進行し、かゆみや皮膚も含めた新たな症状や異常が生じることを医師は理解しなければなりません。
必要な場合にはしっかり薬を使用し、食事療法および栄養療法を併用することで薬を減らしていくことが理想ですが、
実際は、
 医師「いつも通り処方しますね」
 患者「薬だけ飲んでいれば安心」
というやりとりが多いようです。

2016.05.09

同窓会

こんにちは、院長の栗木安弘です。

先週土曜日は約30年ぶりの同窓会でした。(とは言っても3人だけですが…)
高校時代の友人は約30年経っても、
風貌はそれほど大きく変わっておらず、大病もなく元気にされていたので安心しました。

普段は医師ばかりの集まりが多く、話題は医学的なことばかりですが、
こうした職種の異なる友人の仕事や職場の苦労話も大いに参考になります。

また今回は私が皮膚科医であるということから、皮膚科クリニックの受診話も聞かせていただきました。
やはり皮膚科は、
 いつでも混んでいる
 診察が早い(すぐ終わる)
 説明はあまりない、外用のみ
という患者さんの立場から厳しい意見を聴くこともできました。
こうしたあまりよろしくないイメージをできるだけ払しょく・改善するため、
体の内面(栄養)を重視した皮膚科診療を一層心がけようと思いました。

2016.04.11

触診

こんにちは、院長の栗木安弘です。

今のお若い皮膚科の先生はされるかどうか分かりませんが、
私は診察時には皮膚の状態を詳しく診るだけでなく患部を触るようにしています。

触ることで、
 皮膚の凹凸、皮膚の硬さ、しなやかさ
 浮腫み、血管の怒張
 ブツブツ、ザラザラ
 冷たさ、熱感、触ることの痛み、圧痛
などさまざまな皮膚の情報が分かります。

医療は病気を診断するためにいろいろな検査機器を用いますが、
栄養療法を学ぶと、皮膚や髪の毛や爪、顔色や体格や体型や訴えや話し方・話の内容など、
目に見える症状や変化から病気だけでなく、
皮膚および内臓の栄養障害を把握できますし、何かの内臓疾患も発見できることもあります。

患者さんから発信される情報にすべて意味があることを理解すれば、
より一層患者さんの話をよく聞くことが出来ますし、より丁寧な診察も心がけるようになります。

2016.03.08

皮膚の根本治療

こんにちは、院長の栗木安弘です。

毎日診療していますと、
皮膚は掻かずに、何かをぬったり、保湿をすることが皮膚にとって最善の治療やケアだと思われている方が多いようです。
かゆみというつらい症状や目に見える皮膚の異常を早くなんとかしたいという気持ちもあって、
ぬることで薬や栄養成分を皮膚から早く吸収させようとしますが、
皮膚は外側から内側に入っていくのではなく、内側から外側に向かって一方通行に代謝します。(図)

そのため、いくら外側からぬって何かを入れようとしても多少は吸収して効果があるかもしれませんが、
川の流れに逆らって移動するのと同じで、長く続けるにはやはり無理があるようです。

皮膚科医の多くは、
 「ぬり薬をうまく使おう」
 「ステロイド外用剤は安全」
 「スキンケア、しっかり保湿」
を強調しておられます。私も一時的に使用するのは良いかと思いますが、
長くぬり続けることは、かぶれ、刺激症状、易感染、皮膚常在菌の変化、血管拡張、皮膚萎縮につながります。

皮膚を根本的によくするためには、本来は皮膚が必要としている栄養成分を内側から入れてやることです。
対策としてはサプリメントによる栄養補給ですが、それ以外に、
 適度な運動・マッサージなどで血行をよくする
 貧血の改善(酸素や栄養)
 皮膚に至るまでの経路(消化吸収、肝機能)の改善
 発汗や便通改善により老廃物を出す
などがあげられます。

2016.02.18

介護生活

こんにちは、院長の栗木安弘です。

最近認知症患者さんの介護責任に関する裁判があったり、
認知症患者さんの診察や介護されている家によく往診に行きます。
介護されている家族は食事介助や病院に連れて行くなど、心身共に苦労が多いと思われます。
認知症には予防体操なども勧められていますが、効果も定かではありません。

栄養的に考えれば、
脳も酸素や栄養で養われており、酸素や栄養が少なくなれば脳の機能低下を生じます。
そのための対策として、
脳の酸化や糖化を防ぐために抗酸化対策や糖質の過剰摂取を控える。
脳への血流を確保するため、軽い貧血でもを放置しない。血圧も下げ過ぎない。
脳細胞は糖質(+ケトン体)、脳神経はコレステロールが必要であるため、血糖を下げ過ぎない、コレステロールを下げ過ぎない
といったところでしょう。

こうした栄養障害は加齢によるところもありますが、食事内容、消化吸収力低下(個人差)や、
胃酸抑制剤、血糖降下剤、コレステロール低下薬といった過剰な薬剤の長期服用も要因となります。

病気の原因ははっきりしないことが多いようですが、
やはり日々の食生活や薬の長期服用の積み重ねによる栄養障害も一因と私は考えています。

2016.02.08

〇〇患者の1例

こんにちは、院長の栗木安弘です。
先週土曜日、皮膚科地方学会がありました。
大阪地方会
私も発表いたしましたが、やはり普段の栄養の会とは異なり、皮膚科の先生方の前ではとても緊張しました。

学会発表前にはいろいろな先生方の発表を拝聴いたしましたが、
私のように日常診療での工夫といった内容ではなく、
多くは、珍しい疾患、難渋した症例など、
“〇〇という1例”という内容ばかりが多くみられました。

こうした内容が多いのは、発表されている先生方が
稀な疾患や治療が難しい疾患の集まる大学病院や一般病院に勤務されているため仕方がないかもしれませんが、
毎回、診断がどうとか、組織像がどうとか、治療や術式がどうとか、統計や割合がどのくらい、
といった議論ばかりで、「病気しか対象にしていないなぁ」という印象も受けました。

本来は“〇〇になった患者さんの1例”として
病気ではなく病人あるいは、
病気になった背景(おもに栄養代謝障害)に着目した内容や議論も行ってほしいと思いました。

2016.01.30

高齢者に栄養を。

こんにちは、院長の栗木安弘です。

クリニックを受診される高齢者も多く、往診でも高齢者をよく診ています。
高齢者には必ず血液検査結果をみて栄養状態の確認をおこない、
不足した栄養に関しての食事指導やサプリメントの摂取をおすすめしています。

健康に気をつけている高齢者は必ず何らかのサプリメントや健康食品を飲んでおられますが、
血液検査結果から判断すれば効果はあまり出ていないという印象があります。

やはり高齢者には出来るだけ口から食べていただけるように、
消化吸収対策と吸収のよいサプリメントをおすすめしています。
こうしたサプリメントを飲んでからは、
 「毎年出ていた手荒れが起こらない」
 「以前よりも元気になった」
 「動けるようになった」
 「風邪をひきにくくなった」
 「白髪が消えた」
 「床ずれがよくなってきた」
という方もおられました。

食事だけでは十分な栄養は摂取できず、高齢者も含めほとんどの方が栄養障害です。
さらに薬物の長期服用も栄養障害を助長させるため、
個人的には薬をあれこれ飲むよりはサプリメントでの栄養補給をおすすめしたいと思います。

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