寄り添う脱ステ講演会
こんにちは、院長の栗木安弘です。
土日はアトピーの講演会でした。
内容は真逆で、新薬のお話を中心とした講演と薬を使わない脱ステの講演でした。
ここのテーマは、
「アトピー治療の薬と心理セラピー」
「アトピーは薬に頼らず良くしましょう」
ということで、それぞれ長所短所ありますが、多くのメディアや医師は前者です。
個人的には薬も必要だと思っていますが、長く使用しないことが賢明です。
両者の溝を埋めるのが栄養療法であり、薬にも頼らず安全性も高く長く続けられます。
アトピーに対しては「寄り添う姿勢や薬をうまく使うとか使わない」のもよろしいが、
「皮膚の変化をよく見る、なぜその変化があるのか」
という皮膚科の基本が抜けているなぁと感じました。
外用ありき
こんにちは、院長の栗木安弘です。
先日、アトピーのぬり薬に関する講演会に参加しました。
皮膚科医のほとんどは外用治療を重要視します。
ただ、私自身は皮膚科医ですがあまり皮膚には塗りたくないと思っています。
面倒なのもありますが、軟骨はベタベタして服に付くし、気持ち悪いです。
それでも必要とする場合には、塗りやすさや気温を考慮してクリームかローションを選択します。
もし仮に自身がアトピー だとしてもスキンケアや薬の外用は遠慮したいです。
皮膚科医や患者さんの多くは皮膚はスキンケアや塗り薬が当たり前だと思いです。
皮膚科医は細かい外用指導を行い、患者さんはよく効くぬり薬を期待します。
しかし、栄養療法を学ぶようになり、改めて皮膚の機能を理解すると、
皮膚というのは、刺激や感作を考慮すれば何かを長く塗る臓器ではありません。
栄養療法で皮膚に必要な栄養を内側から入れることで皮膚の機能を回復させることが本来の対策です。
「ぬり薬をやめたらまた出てきた」
「いつまでぬり薬を続けるのか?」
という疑問をお持ちの方は多いはずです。
こうしたことに気がついてクリニックを受診されるアトピーの方も少なくありません。
皮膚科での栄養療法
こんにちは、院長の栗木安弘です。
美容皮膚科ではよくシミや美容対策の一環として栄養療法が取り入れられています。
しかし、当院のような一般皮膚科ではまだまだ栄養に関しては理解されていません。
皮膚科と言えば、ぬり薬や処置がほとんどで安価でお手軽というイメージがほとんどです。
やはり、高額なサプリメントを用いて皮膚を治療するという発想は患者さんも他の皮膚科医もほとんどありません。
長年、栄養療法を学んでいくと、アトピー、蕁麻疹、ニキビ、イボや魚の目、フケ症、赤ら顔、床ずれなど、多くの皮膚疾患には栄養が関与しています。
そのため、通常の治療では良くならない場合には栄養療法が必要ですが、皮膚科の世界では鉄ですら理解がありません。
私自身は、“皮膚の治療は処置や薬だけではない”ということを、多くの方に理解して頂きたいと思っています。
氷山の一角
こんにちは、院長の栗木安弘です。
多くの医師にはあまり理解されていませんが、病気の原因の大半は栄養障害に起因しています。栄養の不足は、皮膚や爪、髪といった目に見える臓器に現れやすく、肉眼的に確認することが可能です。かぶれやニキビ、水虫、蕁麻疹、アトピー、感染症、イボなどが治りにくい方には栄養障害を考慮して詳しい説明や追加の血液検査を行っています。
一般的な皮膚科では、長い待ち時間に対して診察はわずか数分で終わることが少なくありません。それが普通だと思われがちですが、それでは皮膚科の値打ちがないように感じます。栄養療法を取り入れると、皮膚の問題だけでなく、その背景にあるさまざまな要因が明らかになります。そのため、通常よりも診察や説明に3倍の時間や労力がかかることもありますが、それが必要だと考えています。
栄養療法を学んできて、医療や皮膚に対する考え方が随分変わりました。表面的な対応にとどまらず、栄養療法を通じて健康を取り戻し、皮膚の改善を目指していきたいと考えています。
多剤併用
こんにちは、院長の栗木安弘です。
循環器疾患や透析をされている患者さんは、数え切れないほどの薬を処方されていることがよくあります。「病気が多いと薬が増えるのが当たり前」と医者になった頃は思っていました。
栄養療法を学ぶようになり、
薬によって栄養障害を生じ、栄養障害が新たな疾患の発症となる
薬を効果を上げたり、解毒には十分な栄養が必要である
というように薬の新しい作用や捉え方が随分変わりました。
書店では『薬で病気になる』『飲み続けていけない薬』というタイトルの書籍を時々見かけます。
医師も含めて薬に対する絶対的な信用をお持ちの方はこうした内容を間に受けないと思いますが、栄養療法を学ぶとまんざら嘘ではありません。
個々の疾患や症状に対する薬の処方は正しいですが、多すぎる場合には多剤による影響や栄養障害(→皮膚トラブルに)もそうですが、「これはおかしい」と思うことが重要です。
病気分類
こんにちは、院長の栗木安弘です。
皮膚トラブルを皮膚の病気と診断しますが、それは一つだけではありません。
アトピーにニキビ、ヘルペス、蕁麻疹、フケ
酒さや接触皮膚炎やニキビ
ニキビに痒み(皮膚掻痒症)や脂漏性皮膚炎
など考えたらキリがありませんが、皮膚の病気が重複するケースは非常に多くあり、治療に難渋することもあります。
最近参加した皮膚科講演会は痒疹がテーマでした。
痒疹というのは皮膚疾患の中でも非常に治りにくい疾患で、いくつか分類がされておりますが、いつも通りその分類が紹介されていましたが、何が何だか分からず消化不良な感じでした。
病名を細く分類して診断することも重要ですが、
皮膚の病気に捉われず、“なぜこの皮膚の変化が生じるのか”
を生化学的に理解して対応することも必要です。
栄養療法実践セミナー
こんにちは、院長の栗木安弘です。
週末は栄養セミナーでした。
今回はより実践に近いテーマで診療で応用できる内容ばかりでした。
患者さんの不定愁訴や皮膚トラブルはストレスや年齢や精神的なものではありません。必ず生化学な異常がその背景にあります。
栄養療法はサプリメントを売るためではなく、栄養代謝や血液検査で病態を把握する学問です。毎回栄養セミナーに参加することたびにいつも新しい発見があります。
そして、病気を根本から治す本当の医療に出会えてよかったぁと感じます。
保湿する力
こんにちは、院長の栗木安弘です。
皮膚というのはクリームや乳液で保湿をすることが常識のようです。
しかし、皮膚の機能をきちんと理解すれば、皮膚には保湿力が元々備わっています。
皮膚を覆っている皮脂膜は天然クリームであり、皮膚の水分を保ちます。
洗いすぎや擦りすぎると皮脂膜が取り除かれ、皮膚がつっぱったり、カサつきます。
そのため、①過度な洗浄を減らし擦りすぎない、②皮膚の機能に必要な栄養
が皮膚の保湿力を高める対策となります。
もちろん、皮膚が乾燥している時には一時的に保湿は必要ですが、過度な保湿は毛穴のつまりやかぶれの原因となります。
なんでもかんでも保湿ですが、皮膚の症状、肌質、部位、年齢、季節によって本当に保湿が必要かどうかを皮膚科医は見極める必要があります。
これは保湿剤に限ったことではなく、栄養療法を学んでいくと無駄な薬を処方されている方が多いなぁと感じます。
近畿皮膚科集談会で発表しました。
こんにちは、院長の栗木安弘です
今回はマラセチアとフケ症についてです。
フケ症の多くは、ひどい時はステロイド、軽い時は抗真菌薬、ビタミン剤の処方ですが、医者としてこんな対応でほんまにいいのでしょうか?
実はフケ症も栄養の問題が背景にあります。
栄養の評価は血液検査で行いますが、皮膚の症状や今回発表したマラセチア検査からも予想はつきます。フケ症の方は糖質やアルコールが多く、逆にビタミンB群や亜鉛不足の方が結構います。フケ症がなかなかよくならない方は食生活の見直しや栄養療法をお勧めします。
学会は珍しい疾患や治療、病理組織の検討ばかりで、参加された方は興味がないのか内容が難しいのか分かりませんが、発表後はフロアからは誰一人も質問はありませんでした。それにしても京都は暑かったです。
皮膚だけでなく
こんにちは、院長の栗木安弘です。
親しい内科の先生は、「皮膚科ってすごいなぁ」と称賛して頂くこともありますが、
私自身は局所対応しかできない皮膚科にコンプレックスを持っています。
褥瘡や熱傷の処置や皮膚手術は形成外科、膠原病は免疫内科、子供のアトピーは小児科など、皮膚科の出番は少なくなりつつあり、益々塗り薬や美容処置やレーザーといった表面だけの対応となっています。
さらに皮膚科、耳鼻科、眼科はマイナー系と呼ばれ、その中でも皮膚科は内科や外科でも対応可能ですので、皮膚科の地位はマイナーでも最も低いと感じています。
約17年ほど栄養療法を学んでいますが、その多くは体の仕組みや栄養代謝、内臓疾患と栄養の関係についてです。私は内臓疾患の薬物治療は分かりませんが、栄養療法によって内臓の異常を是正することが、皮膚を改善させるポイントと考えています。
6年かけて医学を学んで医師になったからには、シミやニキビだけでなく、もう少し病気の本質を追求した対応をしたいと思っています。